Tokyo/Kyoto Conrad Group(1994-2008)

当協会は、1994年10月、当時東京の大学で教鞭を取っていたJ. H. Stape氏を中心に、有志数人でコンラッドの読書会を開催したことに始まる。

この読書会は、当初より、各回1点ずつ、コンラッドの作品あるいは関連テクストを取り上げ、各自が自由に論点を述べ合うディスカッション形式であった。やがて、ほぼ一ヵ月に一度の月例勉強会として定着し、Tokyo Conrad Groupと称することにした。

この月例勉強会と平行して、1995年12月にTokyo Conrad Group Newsletter, No. 1を作成し、その後もほぼ年1回のペースでNo. 6 (2001)まで作成・配布した。配布先は、国内向けには、『英語年鑑』での記載をもとに作成したメイリングリストにより約100人に、国外向けには、イギリス・コンラッド協会主催の学会への出席者を中心に約50人などであった。

Tokyo Conrad Group Newsletter, No. 3 (1997) 表紙

1997年10月にStape氏が京都に移られて以降の一年間は、京都で月例勉強会を継続し、この機会に関西在住の有志も会に加わったことにより、会の名称をTokyo/Kyoto Conrad Groupと改称した。1998年10月のStape氏離日以降は、東京と京都で毎月交互に月例勉強会を継続し、これが後の当協会発足の礎となった。

日本コンラッド協会(2009-)

2009年5月31日、第1回総会が東京大学駒場キャンパスにて開催され、「日本コンラッド協会」という名称のもと当協会が正式に発足した(初代会長:奥田洋子氏)。同年、学会誌『コンラッド研究』第1号が刊行された。2013年6月22日、第1回全国大会が跡見学園女子大学にて開催され、以後隔年で全国大会が開催されている。

当協会は、コンラッド研究を共通の関心とする有志によって構成された、おそらく国内唯一の団体である。また、当初より、イギリス、アメリカ、ポーランドなど、国外のコンラッド学会や、第一線の研究者らとの直接的交流を保ってきた。

1994年以来、手弁当式の運営ではあるが、このホームページの開設によって、より多くの研究者間の交流が可能になることを期待している。研究情報の交換の場として機能し活用されれば幸いである。

日本コンラッド協会初代ホームページ
J. H. ステイプ[編著]社本雅信[監訳]日本コンラッド協会[訳]『コンラッド文学案内』(研究社, 2012)